全球美徳倫・Global Beauty Times

子供のこころを持つ大人と、大人のこころを持つ子供が生き抜く為の智慧

心のコップ

いよいよコロナ前のように“インバウンド(海外旅行客)を制限ほとんどなく
受け入れる状態になり、全国旅割りサービスのような制度も始まりました。


日本中がまた“にぎやかに活性化?! 混乱?!”状態になるのでしょうか?!



以下、 新刊書籍 藤尾秀昭・著『人間における運とツキの法則』(致知出版)より



 『運命をひらく』


過日、古い友人に頼まれ、ある大学で学生に話す機会があった。


教授に伴われて教室に入った途端、啞然とした。百人ほど入れる教室。


前方はほとんど空席で、五十人ほどが後方に固まっている。


それもジュースを飲んだり食べ物を頰張ったり。
教授の姿を認めても様子に変化はない。挨拶するでなし、私語がとめどもない。


正直、これが大学生かと思った。
そこには授業に向かう緊張感も講義に対する好奇心も、いささかも感じられない。
どんよりした倦怠感が漂うばかりである。


まず前方の席に詰めてもらった。きびきび移る学生は一人もいない。
口にこそ出さないが、迷惑げな気配がありありである。


若者たちがよく口にする「かったるい」とはこのことかと思った。


その時点で、準備していったすべてを話すことは放棄した。


話題を絞り、質問を発し、感想文を書いてもらい、
拙いなりに関心を引くように努めて一時間半の責任を果たした。


帰途、電車の中で彼らの感想文を読んだ。おや、と思った。


当方の伝えたかったことをそれぞれが真剣に受け止めていた。


教室をおおっていた倦怠感とこの感想文の落差は意外だった。


思うに、彼らも立派な感受性を備えているのだと思う。
ただ、心をコップに例えれば、心のコップがきちんと立っていないのだ。


心のコップが倒れたり引っくり返ったりしていては、いくら水を注いでもこぼれるばかりである。


彼らは心のコップが立たないまま、二十歳近くまで人生を歩んでしまったのではないか。


焦点の定まらない生き方を心から惜しいと思った。


運命とは定まっているものではない。
自ら運び、ひらいていくものである。


そのためには心のコップを立てなければならない。それをなすのが教育である。


教育は心のコップを立てることから始まるといっても過言ではない。



まず『心のコップを立てる』⇒ 運命をひらく第一条件である。



第二の条件は、決意すること。


小さなことでいい。小さなよきことを決意する。
そこから運命の歯車は回転していく。


そして決意したら、それを持続すること。
花は一瞬にして咲かない。木も瞬時には実を結ばない。自明の理である。



次に、「敬するもの」を持つこと。
「敬するもの」とは人が心の中に持った太陽である。
すべての生命は太陽に向かって成長する。
心もまた敬するものを持つ時、それに向かって成長する。
 


最後に、「縁」を大事にすること。縁を疎かにして大成した人は一人もいない。


「不幸の三定義」というのがある。脳力開発の第一人者・西田文郎氏から聞いた。


一、決して素直に「ありがとう」といわない人
一、「ありがとう」といっても、恩返しをしない人
一、「ありがとう」と唱えただけで 恩返しはできたと思っている人



縁のある人に、この逆のことを心がけていくところに、運命をひらく道がある。
心したいことである。



今週も寒暖差疲労に氣を付けながら、体調管理をし、行動していきましょう。